鬱々と...

学友たちは早々に就職活動を開始していた。既に内定をもらってモラトリアムを謳歌している者すらいる。まだ大学三年の十月だというのに。大手新聞社の各紙社会面には「前倒しされる就活時期 踊らされる大学生」といった見出しのコラムが掲載されることも少な…

母校へ行く

高校の卒業証明書をもらうため、母校へ行った。我が母校は家からほど遠からぬ場所にあるが、わざわざ行く用事もなかったので訪問するのは実に数年ぶりだった。校舎は僕が通っていた頃よりもいくぶん綺麗になり、ご親切に案内表示板もでき、生徒たちの通学自…

黒ラーメンに染められて

我が青春と共にあったところのラーメン屋、富山ラーメン熊田が移転するとの報を受け、学友と連れ立って赴いた。店に入ると、裏方の座敷から「いらっしゃいませ~」という聞き慣れたハイトンーン・ヴォイスが響く。香ばしいスープの匂いを愉しみながら券売機…

高野山町石道を歩く-その2

森林部を抜けると、車通りのおおい国道に行き当たった。そのすぐそばにある、やきもちが名物の茶屋は、ゴール地点である高野山の総門・大門までの6km程の道程へ足を踏み入れる前の最後の休憩場所となっていた。ついに食べ物を口にできる。道中には食事処も出…

高野山町石道を歩く-その1

所用で京都へ赴いたついでに、ゴージローは高野山町石道を歩いた。この道は、金剛峯寺へ向かう道として真言宗の祖・空海が切り開いた参拝道。鎌倉時代には、北条氏に仕えていた安達泰盛らの尽力で整備され、現在でもその姿は大きく変わってはいないという。…